「大規模修繕工事」ってどんなことをするの?工事内容から業者選びのポイントまで詳しく解説

マンションやビルのメンテナンスを考える上で、避けては通れないのが「大規模修繕工事」です。

しかし、このキーワードは聞いたことがあっても、具体的な内容をご存知ない方は少なくないでしょう。

そこで、今回は「大規模修繕工事」について、工事内容から適切な周期、施工会社選びまで詳しく解説します。

ご自宅や所有不動産のメンテナンスをご検討中の方は、是非参考にしてください。

このコラムのポイント
●大規模修繕工事とは、劣化した部位の修繕や補修だけではなく、建物の資産価値を高めるためのバージョンアップ工事も含みます。
●適切な施工周期は、立地環境や利用者のニーズによって異なるため、それに対応できる十分な資金計画が必要です。
●関防協は、防水のエキスパート集団です。大規模修繕をご検討中の方は、私たちまでご相談ください。




マンションやビルの「大規模修繕工事」とは?

「大規模修繕工事」は、不具合を是正するための工事だけではなく、経年劣化の予防や改善のための工事を指し、通常は足場を掛けるような広範囲に渡る大掛かりな工事です。

また、「修繕(=新築時の機能や性能まで回復させる)」に加えて、バリアフリー工事や長寿命化工事などの「改修・改良(=機能や性能をグレードアップさせる)」工事も含みます。

引用:国都交通省|長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント 新旧対照表


例外はあるものの、基本的には建物の共有部が対象で、全体を一斉に工事するため工事費用が高額になることが一般的です。

そのため、計画的に工事資金を積み立てておかなくてはいけません。

資金計画を立てずに行き当たりばったりで建物のメンテナンスを行うと、コストの効率が悪いだけではなく、建物の資産価値を損ねる可能性すらあります。

つまり、大規模修繕工事の目的は、その都度不具合を直すのではなく、建物を健全な状態に維持しながらも時代のニーズに合った状態へバージョンアップさせることにあるのです。

〈関連コラム〉
下記コラムでは、建物の“長寿命化”について詳しく解説しています。

関東防水管理事業協同組合|コラム|建物の“長寿命化”や“サスティナブル建築”とは?環境に寄与できる屋上防水工事のあり方について解説
関東防水管理事業協同組合|コラム|これからの建物は“長寿命化”がカギに。ポイントから対策方法まで徹底解説



主な工事内容は?

では、具体的に「大規模修繕工事」にはどのような工事が含まれるのでしょうか?

ここでは、主な工事内容を紹介します。

〈防水工事〉

●防水工事
 屋上やベランダの既存防水層のやりかえもしくはトップコートの塗り替え
●防水付帯工事
 屋上パラペットや排水ドレンなど付帯部分の修繕や改修

〈外壁補修工事〉

●外壁塗装工事
 既存塗装部の塗り替え
●外壁下地補修工事
 クラックの是正やモルタル剥離箇所への樹脂剤注入など
●タイル貼り替え工事
 タイルの浮き部分のやりかえや部分的な貼り替えなど
●コーキング(シーリング)目地工事
 既存目地の打ち替えもしくは増し打ち

〈付帯塗装工事〉

●換気口周りや露出配管の塗装
●ベランダ・屋上手すりなどの鉄部塗装
●駐車場などの床塗装 …

〈その他工事〉

●給排水管の更新
●電気設備(配線)の更新
●サッシ(窓や玄関ドアなど)の交換
●バリアフリー工事(スロープ造成、エレベーター交換)
●エントランス部の改修
●インターホンや集合ポスト交換 …


上記のような工事は部屋の外だけで行うわけではなく、場合によっては各部屋へ入っての作業になります。

ですから、大規模修繕工事だからといって住民やテナント賃借者の協力なしでは、円滑に施工することはできません。

〈関連コラム〉
下記コラムでは、細かな用語説明をしております。工事内容をより深く理解したい方は、ぜひあわせてご覧ください。

関東防水管理事業協同組合|コラム|大規模修繕工事を検討中の方“必見” 防水工事に関する「用語集」



どのくらいの周期でやるの?

シート防水施工写真

国土交通省が公表している「長期修繕計画作成ガイドライン」によると、大規模修繕工事を行う理想的な周期は「12年」と書かれています。

ただし、ここで注意しなくてはいけないのが、「建物の劣化度合いは、立地環境によって変わる」ということです。

日当たりがよく紫外線の影響を受けやすかったり、常に風雨にさらされているような環境下では、様々な部位の劣化は早まります。

また、その建物を利用している人によって、時代にあわせた機能や性能をプラスしなくてはいけない場合もあるでしょう。

そして、新築時から1回目・2回目・3回目に行う大規模修繕工事は、内容や規模も異なります。

つまり、適切な施工周期や施工内容は物件によって異なるということです。

ですから、本当に適切な施工時期を見極めるためには、遅くても10年に一度程度は専門家による現地調査を実施するように心がけましょう。

劣化を未然に防ぐことで、コストや工期を圧縮できる場合もあります。

最も避けなくてはいけないのが、「資金がないから修繕を先延ばしにする」ということ。

これでは劣化が進んで、さらに工事費用が膨らんでしまいます。

定期調査の結果を踏まえた工事計画と、それをカバーできる資金計画は、大規模修繕工事を効率よく行うためには欠かせない要素です。



「そろそろ検討したい」そんな時はまずどうすればいいの?

では、「そろそろ大規模修繕工事について検討し始めたい」という時には、まず何をすれば良いのでしょうか。

一般的な工事発注までの流れは、以下の通りです。

「建物の管理会社」もしくは「防水工事や外壁工事施工会社」に建物の現況調査を依頼する

調査結果を踏まえた、見積書や仕様書、仮工程表などを作成してもらう

修繕積立費で工事費用を賄えるか、工事内容は適正かどうかを検討する
必要であれば、複数の施工会社に参考資料を提出してもらい、比較検討する

オーナーもしくは管理組合で最終決定を行い、工事の発注を行う



大規模修繕工事を円滑に進めるために重要なのが、“業者選び”。

金額などだけで判断してしまうと、後から取り返しのつかない事態になることもあります。

まずは、建物の調査を徹底的に行ってもらい、それを踏まえた工事計画を立ててもらいましょう。

また、複数の会社に見積書を出してもらったり提出された見積書などを第三者に精査してもらうこともおすすめです。

〈関連コラム〉
下記コラムでは、業者選びのポイントや、見積書の見方について解説しています。

関東防水管理協同組合|コラム|“安心・安全・高品質”の防水工事会社を選ぶには?失敗しない優良業者の見分け方について7つのポイントを解説
関東防水管理協同組合|コラム|防水工事の見積書は“単価”だけで判断しては危険 チェックポイントや見方を徹底解説



屋上防水で快適&エコな建物にできる“サーモコントロール

先ほどもお話しした通り、「大規模修繕工事」は補修・修繕が全てではありません。

建物の価値を高めたり、利用者が快適に過ごせるために改修することも重要です。

そこでおすすめなのが、「サーモコントロール断熱」。

既存の屋上防水を見直すことで、3つのメリットを得られます。


夏の暑さや冬の寒さにお悩みの方や、建物の劣化をできるだけ防ぎたい方、省エネ建築に興味のある方は、ぜひ一度ご検討ください。

〈関連ページ〉
下記ページでは、サーモコントロール断熱についてさらに詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
田島ルーフィング|サーモコントロール断熱オフィシャルサイト

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関防協は、防水工事の「エキスパート集団」です。

工事会社を選ぶのに不安を感じる方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合(関防協)へまずはお気軽にご相談ください。当協同組合は、主に関東にある防水改修の会社で形成されているグループで、東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬の関東地域に限らず、山梨・静岡・長野・新潟にも支部があり、計191社の正会員がおります(2019年11月時点)。また、年々進化し続けている防水工事についての教育活動も行なっており、適切な調査や提案ができる「防水改修調査診断員」の育成を実施しています。

「雨漏り診断をどこに依頼すれば分からない」「信頼できる施工会社の選び方が分からない」そんな方は関東防水管理事業協同組合へご相談ください。

当HPでは、防水改修調査診断員による無料診断も申し込みや、マップ上での施工店検索ができます




まとめ|建物の長寿命化をする上で“大規模修繕工事”は欠かせません

大規模修繕工事は、劣化した部分を定期的に補修するだけではなく、劣化を防止・抑制したり、建物のバージョンアップさせるためのものでもあります。

ですから、一概に「○○年に一度定期的に行えばいい」という訳ではありません。

建物診断を行なって現状把握をした上で、適切な工事を適切な時期に行いましょう。


私たち関防協では、現状の建物調査も承っております。

「信頼できる業者がわからない」そんな方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合のネットワークで信頼できる工事店を探してみてください。

都道府県別に登録業者を検索できるため、近くの工事店を簡単に見つけられます。少しでも防水に不安や不満を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。



運営者情報

関東防水管理事業協同組合事務局

関東防水管理事業協同組合事務局

建設防水業界トップシェアの田島ルーフィングが主催する、改修工事に特化した工事店ネットワーク。
日々進化する防水工法や現場のニーズに合わせた最適な対応を行うため、施工技術者の育成にも取り組んでいます。
当サイトでは、マンションなどの一般住宅から店舗、大型ビルなど、さまざまな現場を見てきた防水のプロが豊富な知識と経験を活かして防水工事についてわかりやすく解説します。

主な資格
建築士 コンクリート診断士 宅地建物取引士 防水改修調査員

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