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押さえコンクリートの役割とは?必要な屋上の用途や劣化症状も解説

押さえコンクリートの役割とは?必要な屋上の用途や劣化症状も解説

新築時にアスファルト防水層を施工後に打設するコンクリート(軽量コンクリート)のことを「押さえコンクリート」と呼びます。

押さえコンクリートは、屋上防水工事において防水層を保護し、建物の耐久性を高める役割を果たします。

本記事では、押さえコンクリートの基本的な役割から、必要となる条件・主な劣化症状・定期的なメンテナンス方法まで、建物の長寿命化に欠かせない情報を解説します。

建物の維持管理に関わる方は、ぜひ最後までごらんください。

コラムのポイント
・押さえコンクリートは、防水層を保護し建物の耐久性を高める重要な仕上げです。
・人の出入りが多い場所や重量物が設置される屋上には、押さえコンクリートの採用が推奨されます。
・押さえコンクリートの4つの主な劣化症状と定期的な点検の重要性をご紹介します。

 

押さえコンクリート仕上げとは

押さえコンクリート仕上げ

マンションやビルの屋上に上がった際に目にする平らなコンクリートの床面、これが「押さえコンクリート」と呼ばれるものです。

押さえコンクリートとは、新築時に防水層を施工後に打設したコンクリートのことを指し「保護コンクリート」とも呼ばれます。

防水層の上に直接施工される押さえコンクリートには、建物を守る重要な役割があります。

一見すると普通のコンクリートの床に見えますが、建物の耐久性の維持に欠かせません。

押さえコンクリートの役割について解説します。

防水層の保護

建物の防水層は太陽の紫外線や風雨・気温の変化など、自然環境の影響を受けやすい部分です。

防水層がむき出しのまま外気にさらされていると、劣化スピードが早まり寿命は縮まる傾向にあります。

押さえコンクリートで保護すると、防水層の劣化要因である紫外線をさえぎり、防水層の耐用年数を延ばすことにつながります。

荷重の分散

押さえコンクリートのもう一つの役割が「荷重の分散」です。

屋上は人が歩いたり、エアコンの室外機や太陽光パネルなどの重い機器が設置されたりと、日常的に負担がかかる場所です。

もし防水層が露出したままだと荷重が一点に集中し、防水層を傷める可能性があります。

しかし、押さえコンクリートがあれば荷重を広い面積に分散させられ、防水層全体に伝わるようになります。

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押さえコンクリートが必要となる屋上の条件

押さえコンクリートが必要となる屋上の条件

屋上の用途は建物によってさまざまですが、どのような屋上で押さえコンクリートが必要になるのでしょうか。

以下3つの条件に当てはまる場合は、押さえコンクリートの採用をおすすめします。

  1. たくさんの人が行き来する場所
    ・商業施設の屋上庭園や展望スペース
    ・公共施設の憩いの広場
    ・学校の屋上運動場
  2. 日常的に利用する場所
    ・マンションの物干し場
    ・病院の屋上庭園
    ・オフィスビルの休憩スペース
  3. 重量物が設置される場所
    ・屋上駐車場
    ・大型空調設備の設置場所
    ・太陽光パネルの設置エリア

 

これらのように人や物による負担が大きい屋上では、防水層を長持ちさせ、雨漏りなどのトラブルを防ぐためにも、押さえコンクリートを採用すると安心です。

押さえコンクリート仕上げアスファルト防水の耐用年数

押さえコンクリートの耐用年数

建物のメンテナンス計画を立てるうえで、屋上防水の耐用年数を把握しておくことは重要です。

では、押さえコンクリート仕上げアスファルト防水の耐用年数はどれくらいなのでしょうか。

さまざまな研究機関や企業が調査を行っており、以下のような結果が出ています。

調査主体 工法 推定耐用年数
建設省総合開発プロジェクト 押さえコンクリート仕様 約17年
田島ルーフィング(株) 押さえコンクリート仕様 26〜38年
建設省総合開発プロジェクト アスファルト露出防水 約13年
田島ルーフィング(株) アスファルト露出防水 19〜29年

 

上記の表のとおり、押さえコンクリートによって防水層の寿命は延びる傾向にあります。

防水層をむき出しで使用する「露出防水」の場合、寿命は19〜29年ですが、押さえコンクリートで保護すれば、26〜38年もの耐用年数が期待できます。

ただしこれらの年数はあくまでも目安です。

実際の寿命は建物の立地条件や使い方、メンテナンス次第で変わります。

定期的な点検とメンテナンスによって長寿命化も可能です。

 

押さえコンクリートとアスファルト露出防水の違いについてはこちらで解説しているので、ぜひ参考にしてください。

参考コラム

 

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押さえコンクリートに現れる4つの主な劣化症状

コンクリート亀裂

押さえコンクリートは建物を長持ちさせる重要な仕上げですが、時間の経過とともにさまざまな劣化症状が現れます。

早期発見・対処が建物の耐久性の維持につながるので、以下の4つの症状について確認しておきましょう。

押さえコンクリートのひび割れ

押さえコンクリートの劣化症状として多く見られるのが「ひび割れ」です。

風雨による浸食や日々の温度変化による伸縮、地震や建物のわずかな揺れなどが主な原因です。

コンクリート面のひび割れだけであれば慌てて補修する必要はありませんが、排水ドレン周りについては、防水層に口開きなどの不具合が発生していないか確認する必要があります。

雑草が生える

伸縮目地周りに雑草が生えるのは、よく目にする光景です。

景観の問題と思われがちですが、防水層への浸食や隙間から雨水が侵入するなど、悪影響を引き起こす可能性があります。

しかし、発見しても引き抜かずに専門家に相談しましょう。

雑草の根が防水層を貫通している場合、抜くと穴を開けてしまう可能性があるため注意が必要です。

伸縮目地の浮き

伸縮目地は、気温の変化によって起こる押さえコンクリートの伸び縮みを吸収するための大切な部分です。

伸縮目地がきちんと機能していれば、コンクリートに無理な力がかかることを防止します。

しかし、経年劣化によって目地材が劣化すると、コンクリートの動きによって目地材が浮き上がり、伸縮調整目地としての機能が低下し、防水層の損傷につながる可能性があります。

ドレンの詰まり

屋上に設置されたドレン(排水口)は、雨水を排水するための重要な設備です。

しかし、ドレン周りに土砂や落ち葉・雑草などが堆積して詰まりやすい傾向にあります。

ドレンの詰まりによって排水能力が低下すると、雨水が排水されず押さえコンクリートや防水層に負担がかかるので、定期的な清掃が必要です。

 

これら4つの劣化症状は、日常的な点検で防げます。

関防協では防水工法別に「防水診断チェック」という点検マニュアルを用意していますので、ぜひご活用ください。

少しでも気になる症状を見つけた場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

点検マニュアル

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押さえコンクリート仕上げの改修方法について

定期的なメンテナンスが建物の寿命を左右する

押さえコンクリートの改修は、押さえコンクリートおよび古い防水層を撤去して新しい防水層を施工するのは容易ではないため(押さえコンクリートの劣化が著しい場合を除く)押さえコンクリートの上から新しい防水層を施工することが通常です。

その場合には、押さえコンクリートの劣化部分の補修、伸縮目地材の更新などの下地処理を行う必要があります。

私たち関防協では、お客様の建物に最適な防水工事をご提案しています。

建物調査から工法の選定・施工まで、プロの技術と経験を活かして確かな品質の工事を提供します。

建物の資産価値を維持し、長寿命化を実現するために、ぜひ私たちにご相談ください。

参考コラム

 

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また、年々進化し続けている防水工事についての教育活動も行なっており、適切な調査や提案ができる「防水改修調査診断員」の育成を実施しています。

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