防水工事のプライマーってなに|重要性と施工時の注意点を解説
防水工事で使用するプライマーの重要性をご存知ですか?
プライマーは防水層の密着性を確保する役割を果たします。
本記事では、プライマーの基礎知識から種類別の特徴、適切な選択方法、さらには施工時の注意点まで詳しく解説します。
プライマーが防水工事の仕上がりにどう影響するのか、その重要性をお伝えするので、屋上防水を検討されている方はぜひ参考にしてください。
・プライマー施工時の注意点は、下地の洗浄、十分な乾燥、ムラのない塗布、適切な施工環境の確保の4つです。
・施工には専門的な知識が必要なため、専門家のアドバイスを受けるのがおすすめです。
Contents
防水工事のプライマーとは?
プライマーは防水工事において大切な役割を果たす材料で、防水工事には欠かせません。
プライマーという言葉は、英語の「プライマリー(primary)」という言葉から来ており「最初の」「一番目の」という意味があります。
言葉の通り、防水工事の最初の段階で使用する材料です。
防水工事におけるプライマーの役割は、主に2つあります。
- 下地との密着性を確保する
- 次に塗る中塗り材や上塗り材との密着性を向上させる
そのため、プライマーは「下塗り材」とも呼ばれています。
たとえばコンクリートに防水材料を直接施工すると、十分に密着せず、すぐにはがれてしまいます。
しかし、プライマーを使用することで、コンクリートと防水材料の間にしっかりとした接着層ができ、密着性能を発揮できるのです。
下地処理の重要性についてはこちらで解説しています。
防水工事のプライマーの種類
防水工事に使用するプライマーは、防水工法によってさまざまな種類があります。
ここでは、主な3種類のプライマーについて解説します。
ウレタン防水用プライマー
ウレタン防水用プライマーは、ウレタン防水工事の基礎になる材料です。
プライマーには、以下の特徴があります。
- 下地との密着性に優れている
- コンクリート下地表面の微細な凹凸や気泡を目潰しする
たとえば、コンクリートの屋上にウレタン防水を施工する場合、最初にプライマーを塗布します。
プライマーがコンクリートの細かい凹凸に浸透することで、その後に塗布するウレタン防水材との密着性が向上します。
シート防水用プライマー
シート防水工事で使用されるプライマーは、塩ビシート用とゴムシート防水用で異なります。
塩ビシート防水に使用される接着剤は溶剤型の合成ゴム系接着剤です。
専用のクシゴテを用いて下地およびシート側の両面に塗布して接着させますが、下地側に塗布される接着剤はプライマーを兼ねています。
一方で、ゴムシート防水の施工にはプライマーと接着剤の両方をローラー刷毛にて施工します。
ローラー刷毛による塗布では接着剤の厚みがつきにくいため、あらかじめプライマーを塗布して接着剤の下地側への浸透を防ぐことが必要です。
アスファルト防水用プライマー
アスファルト防水工事で使用されるプライマーは、以下の特徴を持っています。
- アスファルト防水を施工する前に使用し、下地との密着性を高める
- 速乾型や水性のプライマーも選択可能
アスファルト防水用プライマーは、ブローンアスファルトを溶剤で溶かした材料です。
防水工事に使用するプライマーには、紹介した3種類以外にもさまざまな種類があります。
金属下地用やウレタン防水下地など、下地に適したプライマーを選ぶことで、防水層との密着性を確保し適切な防水工事につながります。
屋上の防水工事を検討される際は、専門家に相談してプライマーを選ぶことをおすすめします。
防水工事のプライマーの施工の注意点
防水工事の仕上がりを左右するプライマーですが、いくら高品質な材料を使用しても、施工方法が適切でなければ効果を十分に発揮できません。
ここでは、プライマー施工時の主な注意点について解説します。
1. 下地の洗浄
プライマーを塗布する前に、高圧洗浄機やワイヤーブラシを使用して下地をきれいに洗浄します。
下地に汚れやほこり、油分などが残っていると、プライマーの密着性を低下させるので注意が必要です。
2. 下地の十分な乾燥
下地の洗浄後は、プライマーを塗布する前に十分な乾燥時間を設けます。
下地が湿っている状態でプライマーを塗布すると、以下の問題が発生する可能性があります。
- プライマーの密着性低下
- 防水層のはがれやフクレ
下地の洗浄後は、天候や気温に応じて適切な乾燥時間を確保しましょう。
3. ムラのない塗布
プライマーをムラなく均一に塗布することも、効果的な防水工事のポイントです。
ムラができると、部分的に防水性能が低下する恐れがあります。
均一な塗布を実現するためのコツは以下の3つです。
- ウールローラーを使用し、均一に塗り広げる
- 塗り残しがないよう、細部まで丁寧に塗布する
4. 適切な施工環境の確保
プライマーの効果を発揮するには、施工時の気温と湿度などの環境条件がポイントです。
- 気温が5度以下の場合:プライマーの硬化に時間がかかり、十分な性能を発揮できない可能性がある
- 湿度が85%以上の場合:プライマーの乾燥不良により、防水性能が低下する恐れがある
工期に余裕がある場合は、気温5度以下、湿度85%以上の環境下での施工は避けるのがおすすめです。
プライマーの施工が防水の仕上がりを左右します
防水工事におけるプライマーは、防水材の密着性を確保する重要な役割があります。
しかし、プライマーの選択や現場に応じた施工方法の判断には専門的な知識が必要です。
そのため、防水工事を計画する際は、専門家のアドバイスを受けることが大切です。
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