パラペットとは?意味や役割を解説|防水性と安全性に欠かせない
パラペットという言葉を耳にしたことはありますか?
建築物の屋上に設けられる重要な構造物です。
防水性の向上や落下防止など、建物の安全性に欠かせない役割を果たしています。
しかし、パラペットの意味や重要性について詳しく知る機会は少ないかもしれません。
本記事の解説ポイントは以下の通りです。
・パラペットの役割についてご紹介します。
・パラペットのメンテナンス方法を解説します。
防水工事を検討中の方はぜひ参考にしてください。
Contents
パラペットとは?
パラペットは、建築物の屋上や屋根、バルコニーの端に設置される低い壁のことを指します。
パラペットの役割
パラペットには、主に3つの役割があります。
- 排水性の向上
- 建物の防水性の向上
- 落下リスクの低減
順番に解説します。
排水性の向上
屋上やバルコニーは降雨時に外周に遮るものがないと、雨水が外壁を伝って流れ出してしまいます。
外周にパラペットを設置することにより、雨水を排水ドレンから排水する役割を果たします。
建物の防水性の向上
パラペットは、屋上や陸屋根の端部における雨水の侵入を効果的に防ぎます。
パラペットがない場合、雨水が屋根や屋上の端から建物内部に侵入し、雨漏りのリスクを高める要因となってしまいます。
さらに、パラペットの立ち上がり部分まで防水層を確実に施工することで、防水層の端部からの雨水の侵入を防ぎ、防水性能を高めます。
落下リスクの低減
パラペットは、屋上やバルコニーからの転落事故防止に大きく貢献します。
商業ビルなど不特定多数の人が出入りする建物では、転落防止用の手すりやフェンスを設置することが一般的です。
貯水タンクが設置されているケースなど、メンテナンス時以外に人の立ち入りが制限される屋上では、パラペットが手すりとしての機能を兼ねることで、効率的な防水工事が可能となります。
パラペットのメンテナンス
パラペットには、建物の防水性能や安全性を高めるメリットがある一方で、定期的なメンテナンスが必要です。
ここでは、定期的なメンテナンスの必要性について解説します。
定期的にメンテナンスが必要
パラペットは風雨や紫外線・温度変化などの過酷な環境にさらされているため、清掃や点検などの定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
メンテナンスを定期的に実施することで、パラペットの性能を維持し、建物の長寿命化につなげられます。
しかし一定のコストと手間がかかるため、計画的なメンテナンスを計画しましょう。
パラペットやドレンなど防水層の劣化を防ぐ構造について、こちらで解説しています。
パラペットのメンテナンス方法と注意点
パラペットの性能を維持し、建物の長寿命化を図るためには、適切なメンテナンスが不可欠です。
ここでは、パラペットの定期点検の重要性、主な劣化症状、そして具体的なメンテナンス方法について詳しく解説します。
パラペットの定期的な点検の重要性
パラペットの定期的な点検を怠ると劣化が進行し、防水性能が低下します。
点検では、主に以下3つのメリットが得られます。
パラペット点検 メリット |
内容 |
---|---|
劣化症状の早期発見 | ・ひび割れや欠損などの劣化症状を早期に発見し大きな損傷を防ぐ ・雨漏りなどの二次被害を未然に防止する |
補修コストの削減 | ・小規模な段階での補修により、劣化の進行を抑えられる ・長期的な維持管理コストを低減する |
建物の長寿命化 | ・防水性能や安全性の維持により、建物全体の寿命を延ばす ・資産価値の維持向上に貢献する |
定期点検は、建物のオーナーや管理者にとって、安全性の確保と資産価値の維持という観点から非常に重要です。
とくに台風や地震の後は、トラブルを未然に防ぐための臨時点検が重要です。
パラペットの劣化症状
パラペットに現れる主な劣化症状は、以下の7つです。
パラペットの劣化症状 | 状態 |
---|---|
ひび割れ | パラペットに発生する亀裂 |
鉄筋の爆裂 | 内部鉄筋の腐食膨張によるコンクリートの剥落 |
欠損 | パラペットの一部が欠けたり、剥がれたりする現象 |
笠木金物の腐食 | パラペットの最上部に取り付ける笠木金物のさびや腐食 |
塗装の劣化 | 塗膜の剥がれや変色・チョーキング現象 |
防水ジョイント部分の開き | シート防水のジョイント部接着劣化による口開き |
入隅のつっぱり | 防水シートの収縮や硬化によるパラペット立ち上がり入隅部分の浮き |
劣化症状の早期発見と適切な対処が建物の長寿命化に不可欠です。
パラペットのメンテナンス方法
パラペットの効果的なメンテナンス方法は、以下の3つです。
メンテナンス 方法 |
内容 |
---|---|
清掃 (年2回程度) |
・パラペットに付着した汚れやコケなどを除去する ・内樋やドレンの落ち葉やゴミなども清掃する |
防水工事 (塗膜防水の場合) |
・パラペットの防水性能と美観を維持するため、定期的なトップコートの塗り替えが必要 ・塗膜の状態を確認し、必要に応じた下地処理の後に塗装する |
定期点検 (年1回程度) |
・定期点検は少なくとも年1回実施し、台風や地震後は臨時で点検する ・目視点検、打診点検を実施し、下地の浮きを確認する |
パラペットのメンテナンスは、定期的に実施することが重要です。
必要に応じて専門家に相談し、適切なメンテナンス方法を選択しましょう。
パラペットの適切な管理で建物を長持ちさせよう
パラペットは、屋上やバルコニーの端に設置されるため、風雨や紫外線、温度変化などの過酷な環境にさらされています。
定期的な点検とメンテナンスを怠ると、劣化が進行し、防水性能が低下する可能性があります。
しかしパラペットを見ても、劣化の進行度合いの判断は非常に難しいです。
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