屋上防水の種類|メリット・デメリットや正しい選び方、安心できる工事業者の特徴も解説
屋上の防水工事を検討されている方の中には、適した工法の選び方がわからずにお悩みの方も多いのではないでしょうか。
工法によって耐用年数や費用が異なり、建物の状況によって最適な選択肢も変わります。
本記事では、各防水工法の特徴やメリット・デメリット、建物の状況に応じた正しい選び方を詳しく解説します。
安心して依頼できる工事業者の特徴もご紹介しているので、屋上防水でお困りの方は、ぜひ最後までごらんください。
・建物の状況や予算に応じて、最適な防水工法は異なります。
・施工実績が豊富で、アフターサービスが充実している工事業者への依頼が防水工事成功のカギです。
Contents
そもそも屋上防水とは
屋上は一年中、雨や雪、強い日差しにさらされ続ける場所です。
建物を雨水や湿気から守る屋上防水は、建物を長く使い続けるうえで重要な工事です。
しかし一目でわかる外壁の汚れとは異なり、防水層の劣化は専門家でないと判断が難しいことがあります。
気付いたときにはすでに傷みが進行しており、建物の資産価値や構造の強度にも悪影響をおよぼす可能性があります。
そのため、定期的な防水点検が欠かせません。
マンションなどの集合住宅では、5年に1度は専門家による点検を行い、必要に応じた改修工事の実施がおすすめです。
屋上防水の種類|特徴やメリット・デメリット
屋上防水に主に採用される防水には3つの工法があります。
アスファルト防水
アスファルト防水は、世界最古で信頼性の高い防水工法です。
水密性・耐久性ともに高く、施工の不具合も出にくいのが特徴です。
仕上げには以下2種類があり、それぞれ耐用年数が異なります。
種類 | 方法 | 耐用年数 |
押えコンクリート仕上げ | 防水層をコンクリートで保護 | 約17年 (26〜38年) |
露出仕上げ | 砂付きシートで仕上げる | 約13年 (19〜29年) |
※建設省総合開発プロジェクト「建築防水の耐久性向上技術」および()内の年数は田島ルーフィング(株)の独自研究データより
- 常温粘着工法:改質アスファルトを原料としたシートを、裏面の粘着材で貼り付ける
- トーチ工法:改質アスファルトシートの裏面をトーチバーナーで溶融して貼り付ける
改質アスファルトシートについて、こちらで詳しく解説しています。
シート防水
シート防水は、ゴムシートや塩ビシートを使用して防水層を形成する工法です。
紫外線や雨、熱に強く、耐用年数は約13年です。
材料が軽量で施工が容易なため、さまざまな屋上で使用されており、工期を短縮できるメリットがあります。
しかし、凹凸など複雑な形状の屋上の施工に向かないのがデメリットです。
こちらの記事では、塩ビシートの耐用年数に関わるメンテナンス方法を解説しています。
ウレタン防水
ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。
液体なので複雑な形状や狭い場所でも施工しやすいメリットがあります。
耐用年数は約10年と、アスファルト防水やシート防水に比べるとやや短めです。
塗布作業や硬化に時間がかかるので、工期が長くなりやすい点に注意が必要です。
ウレタン防水が劣化する原因や対処法について、こちらで解説しています。
どの防水工法を選ぶかは、建物の状況や用途、予算などによって異なります。
工法を選ぶ際は、専門業者に建物調査を依頼し、劣化具合や雨漏りの状況から判断してもらうのがおすすめです。
屋上防水の正しい選び方|屋上の種類別に紹介
屋上防水の工法選びは、建物の状況や予算によって異なります。
ここでは、具体的な状況別に適した工法を紹介します。
極力、防水工事の回数を減らしたい場合
防水工事の回数をできるだけ少なくしたい場合は、アスファルト防水が適しています。
押えコンクリートの場合、耐用年数が約17年(最大38年)と、他の工法と比べて長いためです。
耐用年数の長いアスファルト防水でも定期的なメンテナンスは必要ですが、防水改修工事の回数を減らせ、長期的な維持管理コストの削減につながります。
複雑な形状の屋上の場合
複雑な形状の屋上では、ウレタン防水が効果的です。
空調設備の架台基礎や給排気設備架台が多い屋上の場合、シート防水やアスファルト防水では施工が難しい場所もあります。
液状のウレタン樹脂を塗布する工法のため、凹凸の多い場所や設備機器の周りなど、入り組んだ箇所でも隙間なく施工できます。
費用を抑えたい場合
費用を抑えたい場合は、シート防水がおすすめです。
塩化ビニル樹脂などの防水シートを接着剤で固定する工法で、施工が迅速なため工期が短く、人件費も抑えられます。
しかし、屋上の形状や劣化状態によっては、シート防水が適さない場合もあります。
下地の凹凸が激しい場合や、既存の防水層の劣化が進んでいる場合は、他の工法を検討しましょう。
専門家に現地調査を依頼することで、最適な工法が見つかります。
安心して防水工事を依頼できる工事業者
建物の資産価値を守るための防水工事は、信頼できる業者への依頼が大切です。
ここでは、安心して工事を任せられる業者の4つの特徴をご紹介します。
施工実績が豊富
実績のある業者は、さまざまな建物の状況や条件に対応してきた経験があります。
予期せぬ問題が発生しても適切に対処できます。
ご自身の建物と似た条件の施工実績がある業者だと、より安心です。
見積もり内容を細かく説明してくれる
工事内容や使用する材料・施工手順・費用などをわかりやすく説明してくれる業者は、誠実さの表れといえます。
詳細な説明を受けることで、後から予想外の追加費用が発生するリスクを減らせます。
わからない点があれば、遠慮なく質問できる雰囲気も大切なポイントです。
保証とアフターサービスが充実している
防水工事の保証期間は、一般的に5年〜10年程度です。
使用する材料や施工方法によって異なりますが、工事後の定期点検やメンテナンスが充実している業者だと安心です。
定期的な点検により、防水層の劣化や損傷を早期に発見・修復でき、建物の価値を長く保てます。
防水工事の組合に所属している
防水工事の組合に所属している業者は、一定の技術基準や規範に従って業務を行っています。
組合を通じて業界内の最新情報を入手できるため、新しい技術や材料についての知識も豊富です。
建物の状況に応じて最適な工法を提案してくれる可能性が高く、長期的な視点での維持管理計画も立てやすくなります。
屋上防水の種類に関するQ&A
防水工事に関して、よくある疑問にお答えします。
トップコートの再施工は必要?
屋上防水には、防水層を紫外線から保護するためのトップコートが施工されています。
しかし、トップコートは紫外線や熱、雨水に直接さらされ、劣化が進行します。
一般的な耐用年数は約5年とされており、定期的な再塗装が必要です。
トップコートが劣化すると、下にある防水層が直接外的要因にさらされるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
トップコートについて、こちらで詳しく解説しています。
屋上防水工事は専門家への相談が成功のカギ
建物を長く健全に保つためには、適切な防水工事が欠かせません。
しかし、工法の選択から業者の選定まで、一般の方にとっては判断が難しい部分も多くあります。
一度雨水が建物内部に侵入してしまうと、鉄筋の腐食やコンクリートのひび割れなど、被害が広がる可能性があります。
防水工事を検討する際は、専門家による建物調査がおすすめです。
関防協は、防水工事の「エキスパート集団」です。
工事会社を選ぶのに不安を感じる方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合(関防協)へまずはお気軽にご相談ください。
当協同組合は、主に関東にある防水改修の会社で形成されているグループで、東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬の関東地域に限らず、山梨・静岡・長野・新潟にも支部があり、計207社の正会員がおります(2025年1月時点)。
また、年々進化し続けている防水工事についての教育活動も行なっており、適切な調査や提案ができる「防水改修調査診断員」の育成を実施しています。
「雨漏り診断をどこに依頼すれば分からない」「信頼できる施工会社の選び方が分からない」そんな方は関東防水管理事業協同組合へご相談ください。
当HPでは、防水改修調査診断員による無料診断も申し込みや、マップ上での施工店検索ができます。 少しでも防水に不安や不満を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。