マンション大規模修繕の最適な時期とは|おすすめの季節や修繕時期を決める要因も解説
マンションの大規模修繕、その適切な時期はいつなのでしょうか。
一般的に13年周期で実施されるところが多いですが、最近では15年や18年周期への見直しも提案されています。
しかし、季節や建物の劣化状況や修繕積立金の状況など、考慮すべき要因は多岐にわたります。
本記事では、マンションの大規模修繕の時期に関するポイントを詳しく解説するので、ぜひ最後までお読みください。
・大規模修繕に適した季節は春と秋で、気候条件や工事のしやすさが理由です。
・修繕時期を決める主な要因は、建物の劣化状況・修繕積立金の状況・住民の合意の3つです。
Contents
マンションの大規模修繕とは?
マンションの大規模修繕は、建物全体の劣化を防ぎ、快適な住環境を維持するための工事のことです。
大規模修繕の目的は、主に以下の3つです。
- 建物の安全性を確保する
- 快適な住環境を維持する
- マンションの資産価値を保護・向上させる
外壁塗装や屋上防水工事などにより、建物の劣化を防ぎ、雨漏りなどのトラブルを未然に防ぎます。
また、共用部分のバリアフリー化や設備の更新によって、より快適な暮らしを実現できます。
大規模修繕の主な工事内容は以下の通りです。
- 外壁塗装
- 屋上防水工事
- 給排水管の更新
- エレベーターの改修
- 共用廊下や階段の補修
- 外構工事
適切な時期に工事を実施することで、マンションの長寿命化と資産価値の維持・向上につながります。
とくに築年数が経過したマンションでは、大規模修繕はより重要です。
以下で、具体的な工事内容や業者選びのポイントについて詳しく解説しています。
マンションの大規模修繕の一般的な周期と時期の目安
マンションの大規模修繕は、いつ頃行うのが良いのでしょうか?
ここでは、一般的な周期と時期の目安について詳しく解説します。
13年周期が標準とされる理由
マンションの大規模修繕は、一般的に13年周期で行われることが多いです。
参考:国土交通省 令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査
13年周期が標準とされる理由には、以下の3つがあります。
- 国土交通省のガイドライン
- 建築基準法の全面打診調査との関連
- 建材の耐用年数との関係
国土交通省が公表している「長期修繕計画標準様式」では、12年〜15年ごとの大規模修繕が推奨されています。
また建築基準法では、築12年を経過した建物に対して全面打診調査を義務付けています。
外壁塗装や防水工事などの主要な修繕項目の耐用年数も、おおむね12年程度とされていることも関係しています。
15年・18年周期への延長の提案
最近では、13年よりも長い15年や18年周期での大規模修繕を提案する声も増えてきました。
建材技術の進歩により、近年では耐候性の高い無機塗料などが開発され、従来よりも耐用年数が長くなる傾向にあります。
また、修繕周期を延ばすことで修繕回数を減らし、長期的なコスト削減につながる可能性があり、コスト削減の観点も考慮されています。
とくに建物の長寿命化のためには防水層の高耐久化が重要です。
しかし、周期を延ばす際には建物の状態を十分に確認し、専門家の意見を聞くことがポイントです。
無理に延長すると、かえって被害を招く恐れがあります。
工事期間の目安
大規模修繕の工事期間は、マンションの規模によって異なります。
以下に、規模別の一般的な工事期間をまとめました。
マンションの規模 | 工事期間の目安 |
---|---|
小規模マンション(総戸数50戸未満 | 約3~4か月 |
中規模マンション(総戸数50~100戸程度) | 約4~6か月 |
大規模マンション(総戸数100戸以上) | 約6か月〜1年 |
ただし、高層マンションや施工面積が大きい場合は1年以上かかることもあり、工事の規模や内容、気象条件などによっても期間は変動します。
余裕を持った計画がスムーズに工事を進めるコツです。
大規模修繕の周期や工事期間について、より詳しく知りたい方は以下をぜひご覧ください。
マンションの大規模修繕に適した季節
マンションの大規模修繕を成功させるには、工事の時期を選ぶことも大切です。
ここでは、大規模修繕に適した季節と、各季節の特徴について詳しく解説します。
春と秋が適している理由
大規模修繕工事は、一般的には春(3月〜5月)と秋(9月〜11月)が適しています。
理由としては、主に気候条件の影響と工事のしやすさが挙げられます。
気候条件の影響について、春と秋は気温が穏やかで湿度も適度なため、外壁塗装や防水工事などの作業がしやすい環境です。
とくに塗料の乾燥や接着剤の硬化に適した気候であり、仕上がりの品質にも期待できます。
工事のしやすさという点では、雨が少なく台風の心配も比較的少ない時期であるため、工事の中断リスクが低くなります。
ただし春と秋は施工会社にとって繁忙期であり、費用が高騰する可能性があるため、計画的に進めるのがポイントです。
早めに施工会社へ相談し、日程を調整することをおすすめします。
夏と冬の大規模修繕のデメリット
夏と冬に大規模修繕を行う場合、いくつかのデメリットがあります。
夏の大規模修繕では雨による工事中断リスクが高く、とくに梅雨時期は工事が予定通り進まない可能性があります。
また、窓の開閉やエアコン使用の制限が住民に不便をもたらすのもデメリットです。
一方で冬の大規模修繕では、マイナス5度以下の施工や硬化時間の違いについて注意が必要です。
日中の作業時間短縮による工期延長や、寒さや雪の影響による作業効率低下リスクも考慮する必要があります。
デメリットを踏まえると、可能な限り春や秋の大規模修繕が望ましいですが、マンションの立地や工事内容によっては夏や冬でも問題なく施工できる場合もあります。
マンションの大規模修繕の時期を決める要因
ここでは、マンションの大規模修繕の時期を決める、主な3つの要因について解説します。
建物の劣化状況
建物の劣化状況は、大規模修繕の時期を決める要因の1つです。
専門家による定期的な建物診断により、建物全体の劣化状況を正確に把握し、適切な修繕時期を見極めましょう。
とくに注意が必要なのは、外壁のひび割れや剥離、屋上の防水層の劣化などです。
マンションの状態を定期的にチェックし、劣化が進行している場合は早めに大規模修繕を検討する必要があります。
修繕積立金の状況
大規模修繕には多額の費用がかかるため、修繕積立金の状況も確認しておくべき要因です。
まず、資金計画との整合性を確認する必要があります。
長期修繕計画に基づいて積み立てられた修繕積立金が、実際の工事費用と合致しているかを確認します。
不足が見込まれる場合は、修繕時期の調整や積立金の見直しが必要です。
また物価の上昇や工事内容の変更により、当初の計画より費用が増加する可能性があるので、定期的に修繕積立金の金額を見直し、必要に応じて増額することが大切です。
住民の合意
大規模修繕を円滑に進めるためには、住民の合意が不可欠です。
まず住民のニーズや要望を把握するため、アンケート調査を実施します。
アンケートにより、優先して修繕すべき箇所や新たに追加したい設備などを明確にできます。
次に、大規模修繕の実施に向けて管理組合での決議が必要です。
合意形成のプロセスは、おおむね以下の流れで進みます。
- 修繕委員会の立ち上げ
- 住民説明会の開催
- 工事内容や費用の詳細な説明
- 質疑応答や意見交換
- 総会での決議
管理組合での決議までのプロセスには時間がかかるため、余裕を持って計画を立てましょう。
事前の準備でマンションの大規模修繕を成功させよう
マンションの大規模修繕は、住民の方に安全で快適にお住まいいただくために欠かせない重要な工事です。
適切な修繕時期を決めるには、建物の劣化状況・修繕積立金の状況・住民の合意の3つの要因を総合的に判断することが必要です。
しかし大規模修繕工事の時期を判断するのは難しく、防水業者に調査を依頼するにも、どのような業者に声をかければ良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
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