改質アスファルトシート防水の特徴と工法|メリット・デメリットも解説
改質アスファルトシート防水は、建物の屋上やルーフバルコニーなどの防水層として広く使用されている防水工法です。
アスファルトにポリマーを加えた改質により、従来のアスファルト防水よりも高い耐久性や柔軟性を実現しています。
このコラムでは、改質アスファルトシート防水の特徴や工法、メリット・デメリットなど詳しく解説します。
建物を長期的に保護するために、改質アスファルトシート防水の特徴と選び方のポイントを押さえておきましょう。
・改質アスファルトシート防水とアスファルト防水の違いを解説します。
・改質アスファルトシート防水の性能と耐久性をお伝えします。
Contents
改質アスファルトシート防水とは?特徴やメリットを解説
改質アスファルトシート防水とは、アスファルトにポリマーを加えて改質することで、耐久性や柔軟性を向上させたシート材を用いる防水工法です。
建物の屋上やルーフバルコニーなどの防水層として広く使用されており、優れた防水性能と施工性を兼ね備えています。
ここでは、改質アスファルトシート防水の特徴やメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。
改質アスファルトシート防水の特徴
改質アスファルトシート防水の最大の特徴は、アスファルトにポリマーを加えた改質により、従来のアスファルト防水よりも高い性能を実現している点です。
ポリマーを加えることで、低温時の柔軟性や高温時の安定性が向上し、建物の温度変化に対して追従性が高くなります。
改質アスファルトシート防水のメリット
改質アスファルトシート防水のメリットとして、主に以下の2点が挙げられます。
- 優れた防水性能:ポリマー改質によって耐久性や柔軟性が向上し、長期的な防水性能を発揮します。
- さまざまな工法に対応:トーチ工法や常温粘着工法などの施工方法に対応できるため、建物の状況に合わせた最適な工法を選択できる。
改質アスファルトシート防水のデメリット
一方で、改質アスファルトシート防水には、以下の2つのデメリットもあります。
- 材料コストが高い:ポリマー改質を行っているため、従来のアスファルト防水と比べて材料コストが高くなる傾向がある。
- 熟練した施工技術が必要:トーチバーナーで炙りながら施工するため、炙りムラなどにより施工品質にばらつきが出る可能性がある。
以上のように、改質アスファルトシート防水にはメリットとデメリットがあります。
適材適所で使用することで、建物の防水性能を長期的に維持可能です。
改質アスファルトシート防水とアスファルト防水の違い
改質アスファルトシート防水とアスファルト防水は、どちらもアスファルトを主原料とした防水工法ですが、主に3つの違いがあります。
ここでは、両者の違いを詳しく見ていきます。
改質アスファルトシート防水とアスファルト防水の違いを理解して、建物の特性に合わせた最適な防水工法を選択しましょう。
材料の違い
アスファルト防水と改質アスファルトシート防水の最も大きな違いは、使用される材料です。
アスファルト防水は、ストレートアスファルトとブローンアスファルトが主原料となる一方で、改質アスファルトシート防水では、ストレートアスファルトにポリマーを加えて改質したアスファルトが使用されます。
ポリマーを加えるとアスファルトの性能が向上し、防水性能が高まります。
施工方法の違い
アスファルト防水と改質アスファルトシート防水では、施工方法にも違いがあります。
アスファルト防水の工法 | 特徴 |
---|---|
流し貼り工法 | ・現場でアスファルトを釜で溶融し、防水層を作る |
改質アスファルト防水の工法 | 特徴 |
---|---|
トーチ工法 | ・シート裏面に塗工されたアスファルトをトーチバーナーで溶融し防水層を作る ・流し貼り工法よりも工数が簡略化されている |
常温工法 | ・改質アスファルトシート裏面に施した粘着層を剥離紙を剥がしながら貼りつける |
近年では安全対策や環境への配慮から、改修工事では改質アスファルト防水の採用が多くなっています。
建物の特性や現場の条件に合わせて選択可能です。
耐久性の違い
改質アスファルトシート防水は、アスファルト防水と同等以上の優れた耐久性を持っています。
ポリマー改質によって、アスファルトの性能が向上し、紫外線や熱などの外的要因に対する抵抗性が高まります。
仕様にもよりますが、アスファルト防水と改質アスファルトシート防水の耐用年数は15年~20年程が目安となります。
とはいえ、両者ともに5~8年程度で定期的なメンテナンスを行うことで、防水性能を維持し、建物を長く保護することが重要です。
適切な防水工事を行うことで、屋根の耐久性を向上させ、建物全体の価値を保つことができます。
改質アスファルトシート防水の主な工法
改質アスファルトシート防水には、主に2つの施工方法があります。
・トーチ工法
・常温粘着工法
それぞれの工法の特徴や留意点について解説します。
トーチ工法
トーチ工法は、改質アスファルトシートの裏面に炎を当てて加熱し、溶融したアスファルトを接着剤として下地に貼り付ける工法です。
シートの裏面に炎を当てることでアスファルトが溶融し、下地との密着性が高まります。
ただし火気を使用するため、火災や熱による下地の損傷などのリスクがあり、熟練した技術が必要とされます。
常温粘着工法
常温粘着工法は、改質アスファルトシートの裏面に粘着層を設けた材料を使用し、常温で下地に貼り付ける工法です。
火気を使用しないため、安全性が高く、臭気や煙が発生しないのが特徴です。
ただし、粘着層の接着力が低温時に低下する可能性があり、施工時の温度管理が重要となります。
改質アスファルトシート防水の性能と耐久性
改質アスファルトシート防水は、優れた防水性能と長期的な耐久性を持つ防水工法です。
ここでは、改質アスファルトシート防水の性能と耐久性について詳しく解説します。
耐候性
改質アスファルトシート防水は、優れた耐候性を持っています。
アスファルトにポリマーを加えた改質により、紫外線や酸化に対する抵抗性が向上しており、長期的な耐候性を維持できます。
ただし、耐候性を維持するためには、定期的な点検とメンテナンスが必要不可欠です。
耐寒性
改質アスファルトシート防水は、低温環境下でも柔軟性を維持し、防水性能を発揮します。
ポリマー改質によって、低温時の柔軟性が向上し、温度変化に伴うシートの収縮や亀裂を防止します。
また、適切な工法を選択することで、低温時の施工性を確保し、防水層の品質を維持可能です。
ただし、極端な低温環境下では、シートの柔軟性が低下する可能性があるため、注意しましょう。
耐用年数
改質アスファルトシート防水の耐用年数は、一般的に15〜20年程度とされています。
ただし、実際の耐用年数は、建物の立地条件や使用環境、施工品質、メンテナンス状況などによって大きく異なります。
定期的な点検とメンテナンスを行うことで、防水層の劣化を早期に発見し、適切な補修を行うことが重要です。
また必要に応じて、防水層の更新や改修を検討することで、建物を長期的に保護できます。
改質アスファルトシート防水の特徴と選び方のポイント
改質アスファルトシート防水は優れた防水性能と耐久性を持つ防水工法ですが、建物の特性や使用環境に合わせて、適切な工法や材料の選択が重要です。
改質アスファルトシート防水を選ぶ際のポイントとして、以下の4点が挙げられます。
・建物の立地条件や使用環境に適した工法や材料を選択する
・施工業者の実績や技術力を確認し、信頼できる業者を選ぶ
・定期的な点検とメンテナンスを行える体制を整える
・必要に応じて、防水層の更新や改修を検討する
改質アスファルトシート防水は、適切な選択と維持管理によって、建物を長期的に保護できる優れた防水工法です。
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